記事一覧

IWCはインヂュニアの小型版でより大きな商業的成功を収めた。

ジェラルド・ジェンタのデザインによるブレスレット一体型のスティール製インヂュニアは、ロイヤル オークやノーチラスに似ていることは一目瞭然だろう。しかし、インヂュニアはラグジュアリースポーツウォッチではないという点で異なる。ロイヤル オークやノーチラスのような至高の仕上げは施されていないし、そもそもIWCはオーデマ ピゲやパテックのようなレベルの超高級ブランドではないのだ。1976年に発表されたインヂュニアSLは当初40mmケースだったが、39mmのロイヤル オークと同じ問題に直面した。オーデマ ピゲが36mmのボーイズサイズのロイヤル オークを発表したように、IWCはインヂュニアSLの小型版でより大きな商業的成功を収めた。IWCは1983年に34mmのRef.3505を、そして1993年にはCOSC公認クロノメーター機として唯一のモデル、Ref.3521を発表した。

Ref.3521は40,000A/mという十分すぎるほどの耐磁性能を備えていた(参考までに、これは約500ガウスに相当する)。このリファレンスは2001年まで製造され、IWCは現在もインヂュニアシリーズをカタログに掲載しているが、古い耐磁インヂュニアモデルで採用されていた軟鉄製インナーケースは廃している。

IWC IW322503 インヂュニア オートマティック AMGブラックシリーズ セラミック

カテゴリー IWC インジュニア(新品)
型番 IW322503
機械 自動巻き
材質名 セラミック
タイプ メンズ
文字盤色 ブラック系
ブラック
外装特徴 シースルーバック
ケースサイズ 46.0mm
機能 デイト表示
付属品 内・外箱
2021年新作 セラミックケース シースルーバック

ロイヤル オークとインヂュニアSLのあいだには、いくつかの興味深い類似点がある。どちらもジェラルド・ジェンタがデザインしたもので、SS製の一体型ブレスレットの高級スポーツウォッチという立ち位置、当時としては特大のケースで発表され、後に小型ケースの導入により商業的成功を収め、ジャガー・ルクルト製の自動巻きムーブメント(いずれもJLC Cal.889ベース)を採用したことである。 両者の大きな違いのひとつはオークションでの落札結果であり、サザビーズでは2020年にRef.3521を4410ドルという、少なくとも現代の時計収集の基準からするとやや驚くほど低い金額で落札された。

☆超人気☆オーデマピゲ偽物 ロイヤル オーク クロノグラフ 26239OR.OO.D821CR.01

マニュファクチュールの最新のフライバッククロノグラフ、キャリバー4401を搭載。18Kピンクゴールドケースにブラウンの「グランドタペストリー」ダイヤルとブラウンのアリゲーターストラップ。

では、なぜRef.3521は、ボーイズサイズのロイヤル オークの4~5分の1ほどの落札価格になってしまうのだろうか? その理由のひとつは、34mmというサイズにあるのではないだろうか。Ref.3521は36mmの時計には感じられない、小ささをひときわ感じるからだろう。しかし、この価格差は歴史的にも現在においても、このふたつの会社が異なるアイデンティティを持っているという事実を反映していると思う。IWCは主に技術力を標榜する時計メーカーとして考えられてきたが、オーデマ ピゲはスイス高級時計におけるビッグ3の一角であり、今日もなおハイエンドの高級時計のみ製造し、羨ましいほどの中古・ヴィンテージ市場を持つメーカーなのだ。しかし、このことは、もしジェンタデザインのヴィンテージ、一体型ブレスレット、SS製スポーツウォッチに興味があるなら、その嗜好はロイヤル オークやノーチラスによって形成されたということを意味する。だからこそ、オークションでRef.3521を見つけたら、あなたもあなたの財布も喜びに満ちた驚きに包まれるかもしれないのだ。


【関連記事】:http://soffg.jp/wp/wp-includes/fonts/diary.cgi